2002-12-01 宝くじは買わない

_ 気がつけば

12月。

はやりに敏感な人たちの間では、すでに風邪が流行中らしい。

この時期、お決まりの

「今年の風邪は例年よりタチが悪いらしい」という挨拶が飛び交う。

毎年そんなセリフを聞くということは、

我々は毎冬ごとに凶暴化を重ねる風邪菌に悩まされているわけだ。

さっき電卓を片手に計算したところ、

今年の風邪は10年前の風邪の約2.37倍タチが悪いという結果を得た。

みなさま、要注意。

_ ちなみに

「いまどきの若者はなっていない」というセリフもよく聞く。

なにしろ古代エジプトの壁画の一部にも書かれているいうくらい由緒正しい小言なのだ。

さっきソロバンを片手に計算したところ、

いまどきの若者は4000年前の若者の約428.3倍なっていないという結果を得た。

_ 話を元にもどして、

冬だ。

ニュースなんかを見ていると、

相もかわらず年末ジャンボ宝くじの売り場の行列風景なんかを放送している。

「不景気の中の庶民の夢」なんて言ってね。

_ ああいうのを見ると、

毎年毎年よく懲りないものだと思う。

ひとつはテレビ局に対してだ。

仮にも「ニュース」なんて銘打つくせに、

毎年同じ光景を放送してよく平気なもんだ。

有楽町の宝くじ売り場にしても年末のアメ横にしても、

同じテープを毎年使いまわしてるのではと勘ぐってしまうほど型どおりの画面だ。

だいたいこの不景気に、何時間も行列するほどヒマな人があんなにいるわけがない。

もしや、CG?

_ 懲りないひとたちの

もう一方は、寒空の下行列して宝くじを買っているような人たちだ。

2億だか3億だか知らないが、当たるわけがないものをよく買う気になると思う。

_ ほんの少しでも

論理的に考えれば分かることだ。

たとえばあなたの友人が、

「すっごくラッキーな番号の宝くじをあげる。絶対当たるよ」と言って

1枚の宝くじをくれたとする。

番号を見ると、77組の777777番だった。

あなたは反射的にこう言うだろう。

「こんなの当たるわけないじゃん」と。

それは絶対的に正しい。

だがしかし、

ほかのどの宝くじの1枚も、777777番と当たる確率はいっしょなのだ。

_ 宝くじが

馬鹿らしい理由のもう一つはその還元率、控除率の低さだ。

還元率や控除率とは

「全部宝くじを買い占めたとして、いくら賞金を手にすることが出来るか」ということだ。

全部買い占めたら、当然1等から何から全て自分のもの。

損も得もない、わけではない。

宝くじは公共の福祉に使う金を集めるために行われる。

そのため、売上の何割かは公共の福祉に使われ、その残りが賞金になるわけだ。

結局、諸雑費も含めると、賞金に使われるのは売上の約半分に過ぎない。

控除率は53.9%。ちなみに競馬は約75%で、売上の約75%が賞金となる。

外国のカジノだと、控除率は約98%という所さえあるという。

宝くじが如何に分の悪い勝負かが分かる。

_ 話はそれるが、

ナンバーズなどの数字を指定して当てる宝くじの場合、当選者がいないことがある。

そうすると、その回の当選金は次回に繰越になる。

以前、アメリカで何回か立て続けに当選者が出なかったことがあった。

一回の当選金が何十億という国である。

何十億が何度も何度も繰り越され、その都度賞金の総額は膨れ上がったという。

_ そこに、

一人の知恵者が現れた。

そいつはあることに気づいた。

「繰越金が相当たまっているハズだ。こりゃもしかすると・・・・。」

ペンと紙でなにやら計算する。

彼の手が止まった。

「なんてこった、今回の賞金総額は莫大だ。

宝くじ全部買い占めても、十分儲かるじゃないか!!」

そして何十人かの仲間を集め、国中で宝くじを買いまくった。

かろうじて3分の1を買い占めたところで、タイム・オーバーとなった。

結果は・・・見事、1等を当て、仲間たちと山分けしたという。

これなどは数学を正しく宝くじに応用した例といえる。

頭はこういうふうに使いたい。

_

バイトしていたビアホールの上司は、必ず夏と年末のジャンボを買う人であった。

彼は元々ビールメーカーの本社で営業をやっていた人で、

いろいろな店にビールの売り込みに行っていたという。

営業は、店側の担当者といかに親しくなるかで勝負が決まる。

「〇〇さんが言うなら、うちでもお宅のビール仕入れさせてもらうよ。」

その言葉を引き出せば勝ちだ。

その上司はサマージャンボや年末ジャンボ宝くじを活用して、売上を伸ばしていたという。

_ なにも

販売促進用のプレゼントに使っていたわけではない。

自分で買って自分で持っているだけだ。

ただ、営業トークでこんなふうに話をはじめるのだという。

「いやーさっきジャンボ宝くじ買っちゃいましてね。

当たらないのは分かってるんですが・・・・。

ところで△△さんだったら、3億円、何に使います?」

こう話をふると、店側の仕入れ担当者は必ず話に乗ってくるという。

「ぼくだったらねえ、まず家を買って・・・」などなど。

_ そうして

ひとしきり、3億円の使い道について話を咲かせたところでこう切り出す。

「それで、うちのビールも使ってみていただけないですかねえ」

夢の3億円の使い道の話ですっかり意気投合し、気持ちの大きくなった店側担当者は

ほぼ間違いなく快諾するという。

この話を聞いて、これこそ宝くじの正しい活用法だと思った。

_ とにかく、

宝くじに夢を抱いて、寒空の下行列を作るような人々に

「当たるわけがない」ことをいやでも納得させようと思う。

そうすることによって、夢は夢に過ぎないことを理解し、

厳しい現実に正面から立ち向かうことが出来る人を一人でも増やすべきだ。

_ そんなわけで

身をもって証明すべく、宝くじを買ってみた。

3億円は無理だが

最低でも3千万くらいは当たる予定だ。

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_ (2002-12-04 00:07)

『今年は一年過ぎるの早かったなぁ』って言葉もよくあるけど、ってことは毎年毎年一年が短くなってるってことですかね!そうだ私も宝くじ買わなくちゃ。もう師走ですね。どうりで寒いわけだ。早いわけ無いんだけど、やっぱり、『今年も一年、過ぎるの早かった』あ・そういえば、『来年こそはいい年にしたい』って毎年言ってたとしたら、その人は年を重ねる度、悪いことしか無かったってことですかね!まぁ不景気の時代だから、そんな人もいるでしょうけど。充実してれば一年は早いし、夢とか期待があれば、「来年こそは!」って普通は考えますよね。

_ hirokatz (2002-12-04 01:04)

歳をとると月日の経つのが早くなるのは、感覚が鈍磨して時間の流れについていけなくなるからかもねえ。運動神経みたいに。